運動の良し悪しはいつから決まる?運動神経のしくみや遺伝との関連も解説

運動の良し悪しはいつから決まる?

子どもが幼稚園に入園したときに気になることとして、運動神経が挙げられます。できれば運動が得意な子どもになってほしい、両親ともに運動神経が苦手なので心配、という方もいるのではないでしょうか。

子どもの運動神経には、さまざまな意見があります。今回の記事では、運動神経の良し悪しはいつから決まるのかを解説します。

そもそも運動神経とは

運動神経がよい、または運動神経が悪いという言葉を使う方は多いのですが、運動神経と呼ばれる神経は、実はありません。運動神経とは、脳からメッセージが出て運動につながるまでの神経システムのことです。メッセージが筋肉に伝わることで、体を自由に動かせます。

人間の神経は、脳や脊髄を中心とした中枢神経系と、メッセージを末端にまで送る末梢神経系の2種類があります。運動神経は末梢神経系と密接な関わりがあり、末梢神経にメッセージが伝わらないと手や足を動かせません。つまり、すべての人に運動神経が備わっているといえるのです。

脳からの伝達スピードは運動神経に影響しない

運動神経は、脳からの伝達スピードと関わりがあると考える方がいます。伝達スピードが早ければ、他の人よりも早く手や足を動かせるからです。しかし、脳から筋肉にメッセージを送るスピードに、個人差はありません。運動神経が悪い子どもでも、運動神経のよい子どもと同じ速度で脳からのメッセージを送られるのです。

運動神経がよいとは思ったとおりに体を動かせること

運動神経は誰にでもあるものですが、使いこなしている子どもと、使いこなしていない子どもがいます。自分の体を自由自在にコントロールしている場合、運動神経がよいとされます。他の子どもたちよりも早く走ったり、ドリブルやリフティングを上手にしたりできるのは、思い通りに体を使いこなしているからです。

運動神経には、いくつかの分野があります。音楽に合わせて体を動かすリズム能力や、重心の移動があっても平衡を保つバランス能力、刺激に対して素早く切り返しができる反応能力、単一の動きに合わせてスムーズに体を動かす連結能力、ラケットやバットなどを上手にコントロールする識別能力などです。すべての能力を自由自在に操ることができるなら、運動神経がよいといえるでしょう。

運動神経は遺伝で決まる?

親の運動神経が悪いと、子どもにも遺伝するのではないかと考える方も多いでしょう。子どもは父親と母親の遺伝子を受け継ぐので能力が似る場合はありますが、子どもの能力のすべてが遺伝で決まるわけではありません。

一般的に、体型は遺伝の影響を受けやすく、性格は影響を受けにくいといわれています。たとえば学習や知能については、60%が遺伝の影響といわれています。音楽の場合は50%が遺伝です。一方で、性格は30~40%しか遺伝の影響を受けません。反対に体型については、70~80%といわれています。

運動能力は、66%が遺伝要因で決まると考えられています。他の分野に比べると高めですが、努力をすれば、運動神経を高めることも可能です。

運動神経の良し悪しはいつから決まる?

運動神経には、得意になる時期があります。プレ・ゴールデンエイジと呼ばれる4~8歳までの時期と、ゴールデンエイジと呼ばれる9~12歳までの時期の2回です。

赤ちゃんの時期でも多くの神経細胞は備わっていますが、細胞同士のつながりはもっていません。成長すると複数の神経細胞がつながるようになり、手や足を動かせるようになるのです。神経は他の器官よりも速く発達し、5~6歳の時点で80%、12歳になると100%に達するのです。8歳や12歳を過ぎたら手遅れということはありせんが、できるだけ早いうちからサポートするのがよいでしょう。

持久力や筋力は成長スピードが遅い

神経細胞は早いうちに発達しますが、一方で持久力や筋力は、遅い時期に発達がはじまります。また、子どもの時期には身長が1年に10cmほど伸びることがあります。

トレーニングマシンのような負荷をかけるトレーニングをすると、成長の妨げになる場合があるでしょう。状況によっては、障害のリスクを生むケースもあります。身長の伸びのピークを迎えるまでは、基礎的な動きを体に覚えさせて、神経細胞を発達させましょう。

良い環境を与えることで子どもの運動神経が向上する

子どもの運動神経の能力を引き出すには、環境を整えるのが大切です。さまざまなスポーツに挑戦してみたり、家族でスポーツをしたりするのもよいでしょう。親がさまざまなことに興味をもつと、子どもも興味をもつようになり、運動神経の向上も期待できるでしょう。

まとめ

運動神経とは、脳からメッセージが出て運動につながるまでの神経システムのことです。受け取ったメッセージのとおりに体を動かせる場合、運動神経がよいといえます。運動神経は66%が遺伝といわれており、環境を整えれば、運動神経を高めることも可能です。さまざまなスポーツに挑戦して、神経細胞を刺激させましょう。

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